Sound Schedule「456」~大人になりきれない、子供達~


Sound Schedule456」 (2003)

1999年結成の3ピースバンドSound Scheduleのメジャー進出後2枚目のフルアルバム。
Sound Scheduleは2006年に一度解散するも、2011年に再結成し、現在は精力的にライブ活動を行っている。
一言で言うと、なぜ売れなかったのか分からないバンド。
多彩なサウンドに、グッドメロディ。良い音楽の条件。


ワウが効いたギターカッティングがダンサンブルな「IQ兄弟」

「所詮 若輩者の御手前は空周り 思想も理論も英単語も カタコトばかり」

大石さんの言葉選びは独特である。余裕を持って遊んでいるというか、それでいて時に鋭い。

ストレートに愛を歌うミドルテンポナンバー「運命の人へ」
大サビで半音上げる所なんかは、J-POP的なアプローチだけど、
隙間のサウンドにオリジナリティがあるので、ありきたりな曲とは感じない。

ムードたっぷりな、夏ソング「さらばピ二ャコラーダ」
良い意味で、ジャニーズが歌っていてもおかしくないような曲。

「海辺では愛が行ったり来たり これじゃまるでただの独り善がり」

気持ち良く韻を踏んでいてかつ、「愛」と「波」の行き来をかけたり、言葉選びのセンスが光る。

出だしの「Yeah!」で心掴まれる「コモリウタ」

「僕らは皆 叫びだした 冬の風に セミの声」

「冬」と「セミ」という反対のワードを持ってくることで、伝わらない想いを上手く表現。
緊張感あるハードな間奏も聴きどころ。

「うざってぇぞ」という叫びが、悲壮感漂う「ペンネの女」
くり返されるギターフレーズもどこか寂しげ。

Sound Scheduleの特徴の一つでもある、青春の風景を思いかべる歌詞の「僕らの行方」

「どんなにあがいてみたって 逆らえないものがあること 気がつき始めたから」

僕も気がつき始めているんだけど、まだ、あがいていたい。

しっとり歌いあげる「窓の向こう」

「まるでシェルターみたいだ 何から身を守ろうとしてるのか」

本当、何におびえてんのか、自分でも分からなくなる時がある。

シングル曲の「ことばさがし」
サビは凄くキャッチーなのに、Aメロの進行が緊張感があって、面白い。
大石さんのソングライティングセンスの高さを感じる楽曲。

ハンドクラップが鳴り響く「東京ライフ」
僕も、東京に来て2年目だけど、割と充実してると思ってる。
東京は人がたくさんいるから、電車乗って人間観察するだけでも、そこそこ面白い。

僕がSound Scheduleを知るきっかけとなった名曲「ピーターパン・シンドローム」
跳ねるギターリフに乗せて、狂おしいほどの大人になることへの葛藤が描かれる。

「今日を終えた人々の流れ 横目であざ笑って」

学生の頃は、あざ笑う側だったんだけど、今や完全に笑われる側になってしまった。

「訳も分からず大人になってく 境界線などどこにもない」

僕はいつ大人になれるのだろうか。

最後は幸福感あふれる「結末のない二人」
「まぎれもない幸せ」って良いフレーズだなあ。ゆるぎない強さを感じる。


大人と子供の間を揺れながら、音を鳴らしているような印象。
大石さんのボーカルと歌詞には、少年性がある。
基本的には、大人にはなりたくないんだけど、ほんのちょっとだけ背伸びもしてみたい。
まさに「ピーターパン・シンドローム」

僕がこのアルバムに惹かれるのも、まだ入社して2年目で、学生生活の方が近いからかもしれない。
もう少し年齢を重ねれば、考え方も変わると思う。ただ、いまは学生のころに戻りたい気持ちの方が強い。
数年後に、「ピーターパン・シンドローム」を聴いたらどう思うだろうか、青臭いと思ってしまうのだろうか。
できれば、今と同じ感情を抱きたい。まるで、成長していないと言われても。

評価:A

① IQ兄弟
② 運命の人へ
③ さらばピニャコラーダ
④ コモリウタ
⑤ ペンネの女
⑥ 僕らの行方
⑦ 窓の向こう
⑧ ことばさがし
⑨ 東京ライフ
⑩ ピーターパン・シンドローム
⑪ 結末のない二人



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テーマ : 男性アーティスト
ジャンル : 音楽

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プロフィール

S.S

Author:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。東京都在住。
音楽に生かされている人間です。
どれだけ続くかわかりませんが、邦楽のアルバムレビューをしていきます。

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