The Birthday「COME TOGETHER」~ロックンロールが持つ包容力~


The BirthdayCOME TOGETHER」 (2014)

元thee michelle gun elephantのチバユウスケさんを中心に結成された The Birthday。
今作で7枚目のフルアルバム。(フジイケンジさん加入後3枚目)
このところのThe Birthdayはアルバムを出すたび、称賛の声を持って迎えられている。
では、今回のアルバムはどうか。やはり、これぞロックンロールといえる傑作である。


1曲目はシングル曲の「くそったれの世界 (COME TOGETHER MIX)」

「とんでもない歌が 鳴り響く予感がする そんな朝が来て俺」

この曲、冒頭のキラーフレーズ。こんなことを言われたら、アルバムに期待せざるをえない。
「くそったれの世界」だからこそ、「とんでもない歌」が生まれる。
平和な世界だったら、つまらないラブソングだらけになるんだろうなあ。

恋愛に溺れ、迷路に迷った「アイノメイロアイノネイロ」
フジイケンジさんのギタープレイが冴える。

チバさんのセンチメンタルな部分が現れるポップな曲「SAKURA」

「風が蹴散らす 永い花道を 桜吹雪が舞い踊る」

「蹴散らす」「永い」「舞い踊る」、一つ一つの言葉がチバさんらしい。やはり詩人。

続いては、優しさを感じさせる「星の首飾り」
ポップなギターフレーズに乗せて、チバさんの温かいフレーズが届く。

パンクっぽいアレンジの「LOVE GOD HAND」

「愛の帝王! 愛の手を!」

このフレーズが繰り返されるサビが非常にキャッチー。
2番のヒライさんのベースラインのうなり具合が素晴らしい。

セッションから、フジイさんの切り裂くようなギターで始まる「KIMAGURE KING」

「嫌ならとっとと消えろ」

独裁的な王様。これぐらい言える人間じゃないと、上には行けない。

ノスタルジックな名曲「LEMON」

「喉焼けるまで叫んでたけれど 置き去りにされたレモンは転がってた」

チバさんは、thee michelle gun elephantの頃から、叫び続けてきた。
その間、失ったものもたくさんあるに違いない。だからこそ響く歌を作れるのだろうし、これからもそれは続く。

スローなブルースナンバー「KNIFE」
前曲「LEMON」と同様に、喪失感を感じる楽曲。
優しいギターフレーズが響く。

ダークな雰囲気を放つ一方で、サビはキャッチーな「PIERROT」

「最近どうも感情ってやつ? 自分でもわかんなくなって 仮面を取ることにしたよ」

嘘、偽りのない自分をさらけ出せる人は、無敵。僕も、そうなりたい。

軽快なサウンドに、エモ―ショナルなボーカルが乗る「情熱のブルーズ」

「愛をテーマに歌ってる ど真ん中しかないんだ」

これもキラーフレーズ。
チバさんにとっての「愛」はロックンロールへの愛か。
一貫してロックンロールを鳴らし続けるThe Birthdayが叫ぶからこそ、説得力がある。

このアルバムで、最もセンチメンタルな「星に願いを」
こういう音は、ベテランのバンドにしか鳴らせない。

「LADY お前に見える 景色はどうだ 寒くて震えてないか だったら 俺が」

包容力溢れるフレーズ。大人の男の色気を感じさせる。

ラストはタイトルトラックの「COME TOGETHER」
音楽は時代を超える。僕が生まれていない時代の曲も、色あせず残っている。
辛いことがこれから起きようとも、僕は音楽についていく。


「COME TOGETHER」というアルバムタイトル通り、凄く開けたアルバム。
ベテランが作り上げる力強いサウンドに合わせて、チバさんの前を向いた言葉が響く。
例えば、最終曲「COME TOGETHER」で、未来が希望に満ちていると歌う。
確かに、「くそったれな世界」ではあるけど、希望はあるだろと。

ところで、ロックの良さって何だろう?
その一つは、多様な価値観の混在だと僕は思っている。
「希望」を唄うバンドもあれば、「絶望」を唄うバンドもある。
The Birthdayは前者を鳴らすことを選択した。
ロックンロールを通じて、「希望」を鳴らし続ける。そんな決意を感じる一枚。

評価:A

① くそったれの世界 (COME TOGETHER MIX)
② アイノメイロアイノネイロ
③ SAKURA
④ 星の首飾り
⑤ LOVE GOD HAND
⑥ KIMAGURE KING
⑦ LEMON
⑧ KNIFE
⑨ PIERROT
⑩ 情熱のブルーズ
⑪ 星に願いを
⑫ COME TOGETHER



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テーマ : 男性アーティスト
ジャンル : 音楽

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プロフィール

S.S

Author:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。東京都在住。
音楽に生かされている人間です。
どれだけ続くかわかりませんが、邦楽のアルバムレビューをしていきます。

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