BUMP OF CHICKEN「FLAME VEIN」~燃えさかる才能~


BUMP OF CHICKENFLAME VEIN」(1999)

BUMP OF CHICKENの最初のアルバム。
東京ドームでライブをするほどの、大きなバンドになったBUMPの原点がここにある。
はっきり言って、音は悪いし、演奏も拙い。
しかし、このアルバムには、現在のBUMPには出せない「熱」がある。


藤原さん特有の、物語風の歌詞の原点「ガラスのブルース」

「ああ 僕はいつも 精いっぱい 歌を唄う」

この曲の主人公である猫は、不器用だ。
唄うことでしか、自分を表現することが出来ない。
でも、がむしゃらに叫び続ける姿に、生命力を感じる。

続く「くだらない唄」は、「イマ」を絵で残そうとする人物が主人公。

「かみさまぼくはふるえてる 背広もネクタイも見たくないよ」

大人になることへの嫌悪感。
絵を描くという行動は、一種の逃避行動なのかもしれない。

「アルエ」はエヴァの綾波レイをイメージして作られた曲。
歌詞は綾波レイを思わせる描写。
以前、藤原さんは綾波レイに本気で恋をしていたとのこと。

どんな人間でも勇者になれると唄う「リトルブレイバー」

「自信を持っていいハズさ 僕ら時には勇者にでもなれるんだ」

どんなヒーローだって、何かを「守る」ために戦っている。
どんな人だって、守りたいと思う人がいるのでは。それなら、あなたは勇者だ。

大舞台に立つスラッガーが主役の「ノーヒットノーラン」

「物語の始まりはそう 成す術の無い僕らが主役」

なんてことない人間でも、ライトを当てられれば輝く。
期待は人を大きくさせるんじゃないかと、僕は思ってる。期待にこたえたいからこそ、頑張れる。

BUMPにしては珍しいラブソング「とっておきの唄」

「誰でも見かけホド強くないし 自分で思うよりも泣き虫だから」

BUMPが受け入れられたのは、弱い人間が前に向かう姿を描いた歌詞が多いのも要因だと思う。
弱い人間が何かを成し遂げる姿に、みんな弱いんだよなあ、僕も含めて。

珍しく英語詞が使われている「ナイフ」

「強く望んだら望んだ分だけ 隠したナイフはスルドくなるもんさ」

いまの藤原さんじゃここまで強い歌詞は書かないと思う。

ウソをついてまで強がる人が主人公の「バトルクライ」(2004年の再発盤のみに収録)

「それが僕の生きていく理由 何かを賭して手にするもの」

この曲の主人公はやたら、強がっている。でも、憎めない。
必死に何かにすがりつこうとする姿が、人間的で「熱」を感じる。


音も小さい。演奏も荒い。しかし、聴き入ってしまう魅力がこのアルバムにはある。
ありふれた言葉だけど、若い時にしか出せない「初期衝動」に満ちたアルバム。
藤原さんの声も、いまの優しい感じではなく、力強く張り上げる感じ。「熱い」ボーカル。
聴いていると、荒い演奏が、逆にこのアルバムの勢いというものを表現していると感じてしまう。

間違いなくBUMPは変わった。人間だから変わるのは当たり前である。
昔の方が良かったと言うつもりはないけど、この時にしか出せなかった音がこのアルバムにはある。
「熱」を感じる音。若き才能が燃えさかっている。

評価:A

① ガラスのブルース
② くだらない唄
③ アルエ
④ リトルブレイバー
⑤ ノーヒットノーラン
⑥ とっておきの唄
⑦ ナイフ
⑧ バトルクライ



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テーマ : 男性アーティスト
ジャンル : 音楽

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Author:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。東京都在住。
音楽に生かされている人間です。
どれだけ続くかわかりませんが、邦楽のアルバムレビューをしていきます。

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