Base Ball Bear「十七歳」~青春とは病気~


Base Ball Bear十七歳」(2007)

2007年にリリースされた、Base Ball Bearのメジャー2枚目のフルアルバム。(前作「C」のレビューはこちら)
サウンドがポップになり、歌詞はアルバム名通り「十七歳」の青春がテーマ。
僕は2007年当時、17歳。アルバムのテーマにぴったりなリスナー。当然、ハマると思っていた。
しかし、このアルバムに共感を覚えることはなかった・・・
なぜなら、僕が当時、体験していた「十七歳」と、このアルバムで歌われる「十七歳」がかけ離れていたから。


ポップで爽やかなオープニングナンバー「17才」の冒頭で、

「17才 It's a seventeen 檸檬が弾けるような日々」

と歌われる。
この当時の僕は、部活でも勉強でも家庭でも、色々な問題を抱えていて、あまり楽しい日々ではなかった。
この曲で歌われるような、明るい青春とは無縁。

アニメ「おおきく振りかぶって」の主題歌のもなった、人気曲「ドラマチック」。
この曲のサビでは、

「あぁ、熱くなれるだけ 熱くなりたい」

と歌われるけども、僕には「譲れないもの」もなかったし、「熱くなれるもの」もなかった。
さらに、他のシングル曲「抱きしめたい」、「愛してる」のような感情も、感じることはなかった。

「SEVENTEEN ROMANCE」の歌詞では、

「人のいない車両 1年ぶりの気まずい再会 ふたり、目合わせない」

そもそも、片道20分の自転車通学では、こんな体験したくてもできない。

共感する歌詞を一つ、挙げるなら「FUTATSU NO SEKAI」の

「僕にひとつ余分に 世界があったのなら」

というフレーズ。
「高校生活」という世界とは別の、もう一つの世界があったら良かったなあ。
(この曲で歌われる、もう一つの世界が欲しい理由とは、僕の場合、違うと思うけど)

また、力強いバンドサウンドが印象的な、「青い春.虚無」では、
どこか苦しんでいる少年少女が描かれていて、自分自身に重ね合わせられる部分はあった。

そして、ラストの「気付いてほしい」ではストレートに、

「気付いてほしい・・・この気持ち・・・・」

と歌っており、
当時、感情を吐露出来なかった僕としては、感じるところもある。


輝かしい青春を送ったわけではない僕にとっては、17歳当時、聴くのが苦しかった。
もうじき24歳になるいまの僕が聴けば、大人の余裕を持って、落ち着いて聴くことはできる。
ただ、いま冷静に聴いてみてもこのアルバムはBase Ball Bearのアルバムの中では評価が低い。
その理由はサウンド面。

アニメのタイアップ曲で知名度が上がり、このアルバムでセールスを意識したのだと思う。
そのせいか、音は丸くなり、1stアルバムで感じたような、爽やかだけど、尖っている感じは消えた。
さらに、曲によっては、サビで曲名を繰り返すだけというJ-POP的なアプローチの楽曲も増えた。
彼らの良さであった、独特のコード感やひねくれた歌詞といったものが失われた印象。

良かった面としては、「WINK SNIPER」で関根さんがメインボーカルを務めたり、
「気付いてほしい」でレゲエのテイストを用いたりと、新しいことに挑戦している点。
この実験的な要素が、このアルバム以降の傑作アルバムに繋がっていく。

このアルバムは「十七歳」の人は、必聴の作品。
このアルバムを聴いて、どんな感情になるかで、自分の青春度を自己採点することができる。
僕はこのアルバムを聴いて、自分の青春が病気だということに気づくことができた。
このアルバムは好きじゃない。けど、自分にとっては大切なアルバム。

評価:C

① 17才
② ドラマチック
③ 抱きしめたい
④ ヘヴンズドアー・ガールズ
⑤ 愛してる
⑥ SEVENTEEN ROMANCE
⑦ FUTATSU NO SEKAI
⑧ 真夏の条件
⑨ 青い春.虚無
⑩ WINK SNIPER
⑪ 協奏曲
⑫ 気付いてほしい




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テーマ : 男性アーティスト
ジャンル : 音楽

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S.S

Author:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。東京都在住。
音楽に生かされている人間です。
どれだけ続くかわかりませんが、邦楽のアルバムレビューをしていきます。

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