My Hair is Bad「woman's」~真赤裸々~


My Hair is Bad「woman's」(2016)

彼らのメジャーデビュー後初のフルアルバム。
インディーズ時代の人気曲「真赤」も収録され、キャリアの総集編ともいえる作品。


1. 告白


聴いた瞬間、マイヘアだとわかるマシンガンのように飛び込んで来る詞。彼らの得意な形。
「告白」という曲名だが、恋愛の曲ではない。愛の「告白」じゃない、自らの「苦悩」を告白。

「いつか死んでしまうんだ」

死ぬ前にやりきる、後悔のないように。椎木にとってはそれが音楽ということなんだろうか。

2. 接吻とフレンド

情けない歌詞、彼女に従順な男を演じる。いや、演じてないのか、素で踊らされてるのか。
どう考えても踊らされてるのに、否定する。しょうもないプライド。
踊らされているうちが幸せだと気づいている感じが切ない。

3. 音楽家になりたくて


凄く風通しの良い曲。売れないバンドマンが共感出来そうな一節も。
どんなバンドにもこういう時代ってあったと思うんだけど、ここまで上手くテンポよく曲にするのは才能ゆえか。
この曲のPVも曲にあってて良い。マイヘアの3人の表情が自然。

4. グッバイ・マイマリー

結婚しようと思ってた彼女と結局、別れてしまって後悔しまくる男の歌。
「思ってた」だけじゃだめなんだよ、言葉にしなきゃっていう教訓。
言葉にしたところで無理だった可能性が高そうな男なのはご愛敬。

5. 戦争を知らない大人たち


発表された当時、メジャーデビュー曲にこういう曲持ってくるのかと驚いた楽曲。
平坦なメロディに言葉を重ねる手法は、他のバンドもやっている。(いわゆるポエトリーリーディング、amazarashiとか)
特徴的なサビ。「Good night」の二単語のみ。文字数の多いサビ以外との対比。
季節の移り変わりとともに大人になっていく過程は、共感できるフレーズがいくつか。

6. 恋人ができたんだ


back numberのバラード曲かと戸惑う、ストリングスを大胆に導入した意欲作。
これは男が共感する歌詞でしょう。女からしたら、本気で面倒くさいと思うんだろう。別れた人の事なんか知らないよと。

「出会ってしまった 通じ合ってしまった それは消せないけど」

そう、「消せない」。

7. mendo_931

前曲の余韻をぶった切る、ショートチューン。
とてつもなくクズ男。ただ、これを言葉に出来るのは勇者。頭の中だけで考えているだけの男はたくさんいそう。

8. ワーカーインザダークネス

前作でいう「マイハッピーウェディング」に似たタイプの曲。

「仕事の為の生活 生活の為の仕事」

このフレーズドキッとするんだよ。手段と目的が逆になっちゃっている現象。
しかし、よくこれだけ言葉を詰め込めるよ。ライブで歌詞飛んじゃいそうだ。

9. 革命はいつも

なんか冷めた目線で周りをみてる人だななんて思ったけど、自分もどっちかいったらこのタイプだと気づく。
なにを「革命」だと思うのかは、人それぞれなわけで。
ビルに飛行機が突っ込むのも「革命」かもしれないし、理科室で起こったことも人によっては革命かもしれない。
些細なことなんだ。

10. 沈黙と陳列 幼少は永遠へ

呟くように歌われる歌詞は、椎木が見てきた風景か。
どこか、一節一節に繋がりがなさそうな感じがするのは、最後の歌詞でそういうことかと納得。
思いついた言葉をスマホに残していくやり方は、最近のミュージシャンはよくやる手法らしい。

11. 真赤


現時点での代表曲、出だしのフレーズは有名になったのかな。
女々しい歌詞に、ストレートなギターロック、PVに可愛い女の子と人気が出る要素はしっかり押さえている。
歌詞は相変わらず、とてつもなく椎木知仁なんだけど、サウンドは癖がないので聴きやすい。

12. 卒業


この曲も出だしのフレーズが印象的。「真赤」のその後を書いたということで、曲順もここしかない。
ラストで歌われる、

「恋人でも 友でもない 二人からの卒業」

っていうフレーズ。わりとよく歌われてそうなフレーズなんだけど、良いよね。
「恋人ができたんだ」と合わせて、アルバムの核を担うバラード。

13. また来年になっても

ラストはポジティブな曲。「ハッピーエンド」が来ることを信じて疑わない。
ただ、「今年」をハッピーエンドで終えたいっていうのはリアルだ。「人生」をとかじゃない、目先のことで精一杯。
2016年もあと少しだ、もう少しだけ頑張ってみよう。


最初の方の楽曲はすんなり耳に入って来て、逆に今までの彼らの楽曲からすると違和感が残った。
これがメジャーに行くということかなんて思ったけど、多分アレンジの問題。ギターの荒々しさが押さえめになっている。
曲調的には、以前とそこまで変化はないのでライブでおそらく印象は変わるだろう。

メジャーデビューアルバムということで、いままでの総決算的な内容。
これを聴けばマイヘアがどういうバンドかわかるし、聴いてダメだったらこのバンドは好きじゃないということだろう。
ただ、一度手にとってほしい。「来年」なんて言わず2016年のうちに聴いてほしい。
過去を、今を、赤裸々に歌った彼らを聴いてほしい。


1. 告白
2. 接吻とフレンド
3. 音楽家になりたくて
4. グッバイ・マイマリー
5. 戦争を知らない大人たち
6. 恋人ができたんだ
7. mendo_931
8. ワーカーインザダークネス
9. 革命はいつも
10. 沈黙と陳列 幼少は永遠へ
11. 真赤
12. 卒業
13. また来年になっても


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テーマ : 男性アーティスト
ジャンル : 音楽

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S.S

Author:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。東京都在住。
音楽に生かされている人間です。
どれだけ続くかわかりませんが、邦楽のアルバムレビューをしていきます。

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