My Hair is Bad「昨日になりたくて」~過去の清算~


My Hair is Bad「昨日になりたくて」(2013)

新潟県上越市で結成された3人組バンドのデビュー作。
愚直に日本語詞のギターロックを掻き鳴らす。


1.最近のこと


まさかのバラード曲でアルバムは始まる。そして、椎木知仁のメロディセンスを確信する一曲。

「今 僕がしたいのは二人の話なんだ」

過去に想いを馳せながら全力で歌う。図太いレスポールのギターサウンドがまた良い味を出してる。
椎木が書く詞は実体験だ。そしてわがままだ。だからこそ、共感を得るし、心に刺さる。

2. まだ、ほどけて

こういうのをツンデレというのだろうかという歌詞、でもたぶん違う。未練タラタラな男のなさけなさ。
「あっそう」で始まる疾走感あふれるサビはインパクト大。

3.夏が過ぎてく

ライブで定番の名曲。歌で始まりギターの轟音が鳴り響く頃には拳を思わず付き挙げてしまう。
エモい曲って何だって聴かれたらとりあえずこの曲聴かせとけば間違いない。
一年に一度しか来ない夏。一瞬で過ぎていく夏の疾走感を表した楽曲。

4. 赤信号で止まること

赤信号で止まることもなぜかと言えば法律で守られているからというわけではなく、

「それもあれもどれもみんな僕のため」

自分を守るためにあるのである。
たくさんの物に守られて、今日が進んでいく。だけど、自分自身で自分を守れるかという不安。
キャッチ―なメロディにのせて、癖がある歌詞が乗っかる楽曲。

5. ディアウェンディ

激しいバンドサウンドと歯切れのいい詞が耳に飛び込んでくる。
「いらない」だとか、「知らない」だとか否定的な言葉が飛び込んでくる感じは、イマドキの若者感。

6. エゴイスト

彼らの楽曲にいくつかある、30秒程度で終わるショートチューン。
好き勝手やってる感じはまさにタイトル通り。

7. 月に群雲

ボーカル椎木の詩的な歌詞が特徴的。

「きれいでも不確かなものばっかり ぐるぐる回って 僕が生きてるよ」

何が正しくて、何を信じたら良いのか分からない時期ってある。
ただそういう感情って中々表に出せない。おそらく彼も歌じゃないと言えないだろうなと思うと切ない。

8. 声

「声は、届くか」

切ないメロディに乗せて、情熱的に歌いあげるバラード曲。
日常生活で自分の声が相手に届いてるんだろうかと、不安になることは多々ある。
バンドマンも同じように自分達の音楽がリスナーに届いてるのか不安になるんだろうなと。
ただ、マイヘアの音楽は自分には届いている。


「昨日になりたくて」というタイトル通り、過去に憧れを持った楽曲が多い。
そう聞くと、女々しいなんて思うかもしれないけど男なんてそんなもんなんだ。一旦、振り返らないと前に行けないのだ。
椎木知仁という男は、そんな男たちの気持ちを代弁している。本人はただ自分のことを書いているだけだろうが。

荒々しいバンドサウンドはデビュー作らしい作り。
ギターロックという差別化が難しいジャンルで、早口で詞を乗せていくようなメロディは彼らの武器。
今後に期待をせざる得ない一枚。

1. 最近のこと
2. まだ、ほどけて
3. 夏が過ぎてく
4. 赤信号で 止まること
5. ディアウェンディ
6. エゴイスト
7. 月に群雲
8. 声


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テーマ : 男性アーティスト
ジャンル : 音楽

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S.S

Author:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。東京都在住。
音楽に生かされている人間です。
どれだけ続くかわかりませんが、邦楽のアルバムレビューをしていきます。

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