LUNKHEAD「家」~僕達の帰る場所~


LUNKHEAD「家」(2015)

記念すべき10作目のフルアルバムで、レーベル移籍後初のアルバム。
既にベテランバンドの域に達した彼らだが、ここ数作のエネルギッシュなアルバムを聴く限りバンドの状態は最高ともいえる。
そんな彼らはこのアルバムに「家」というタイトルをつけた。色んなことがある毎日でも最後に戻ってくるのは「家」。
どんなことがあっても、僕達にはLUNKHEADという戻るべき場所がある。


過去のアルバムの一曲目をサンプリングしたSEの「『地図→家』」で幕を開ける。
最後には玄関のチャイムを押す音が収録されており、アルバムの最後を飾る「玄関」に繋がっている。

迷いながら過ごす毎日を生きながら、自らを叱咤激励する「MAGIC SPELL」
歌詞の内容は明るくないが、サウンドはかなりクリアな印象を受ける。比較的ポップ。

「上を見たらキリがない 下を見てる暇はない 前を見れば果てしない」

どこを見ても、逃げ出したくなる毎日。そんなことは解ってる、それども僕らは生きていく。

軽快なギターロックに乗せて、生きている今の一瞬の大切さを叫ぶ「僕達には時間がない」
彼らの楽曲はときに、自分にとって背筋を正してくれる。
この曲を聴いて思うのは、ただ漫然と過ごす日々がいかに無駄か。明日死んでるかもしれないのに。

曲名通り、響き合うギターに、ずっしりとしたバンドサウンドが壮大な「シンフォ二ア」


「救われていいんだ」という歌詞が印象的。バンドからすれば、ファンの存在に救われている。
一方で、僕達ファンもLUNKHEADの楽曲に救われている。音楽を通じて、心が響き合っている関係っていいな。

アルバムのリードトラックで、心温まるバラード「うちにかえろう」


この曲なんかは教育テレビで使われててもおかしくない雰囲気。幅広い年齢層に届いてほしい。
家に帰って、夜ごはんでシチューを食べる。そんなどこにでもありそうな家庭の風景。
でも、それって当たり前なんかじゃないんだ。大切にしなければ。

前曲までがアルバムの前半戦なら、この曲からダークな後半戦に入る。「金色のナイフ」
切れ味鋭い、山下さんのギターフレーズ。エフェクターを効果的に使用して曲に変化をもたらす。
なぜ求めれば、求めるほど逃げていくんだろう。そんな哀れな人を笑うように月は見下ろすんだ。

アンタッチャブルな存在だと言われいる神。そこに踏み込んでいく「神様なんていない」

「神様なんているなら殴り飛ばしてやるのに」

小高さんらしい、オブラートに全く包まない剛速球な歌詞。
ハードな演奏もあいまった、攻撃的な楽曲。

深い深海に引きずり込むようなインスト「モリ」
今作イチシリアスな次曲への繋ぎ。

悲壮感漂うリードギターの旋律に圧倒される「誰か教えて」
初めてこの曲を聴いたとき、鳥肌が立った。人間のごちゃごちゃした感情をここまで晒してしまうのかと。

「人をこんな殺したいと願う日が いつかこの僕に来る日があったなんて そこに救いだとか善とか悪とか、どうでもいい」



最近の彼らのアルバムの中に一曲はある、ぶっ壊れた系楽曲「懺悔室」
曲名通り、いかに自分がダメな人間かを吐き出す。
こんだけ、言いたいこと言える環境があるだけましだとは思うけど。大体の人が吐き出せずに自分で飲み込んじゃうから。

LUNKHEAD流、お祭りソング「スターマイン」


和風なサウンドで賑やかな印象なんだけど、歌詞はどこか哀愁が漂うのが彼ららしい。
彼らがいまのバンドシーン(四つ打ちで踊らせる)を意識して楽曲を作るとこんな感じになりましたという感想。

やはり、「家」というアルバムの最後は「玄関」という楽曲。

「おかえり おはよう ただいま おやすみ 生きなきゃ それでも 生きなきゃ」

何気なく繰り返される、あいさつの数々も相手がいなきゃできないんだ。
待っててくれる人がいるって、凄い幸せなことなんだ。


聴き始めは、ここ数作に比べるとポップなアルバムだなと思っていたら、後半シリアスモードに入って驚いた。
改めて、LUNKHEADというバンドの引き出しの多さを思い知った。
ただ、レーベル移籍1枚目にしてはコアなファン向けのアルバムだなという印象。
ファンを大事に、ファンと共に歩いてきた彼ららしい作品とも言えるが。

評価;A

(雑記)
しかし、このLUNKHEADというバンドはここ数年素晴らしい作品を作り上げ続けている。
いくらなんでも、もう少し売れて良いだろう。何か、きっかけが欲しい。
まずは、YouTubeに過去の楽曲をアップしたらどうだろうか?(レーベルの問題等で難しいかもしれないけど)
みんな大好き四つ打ちナンバーやハードなギターロックまで色々やってきてるのに、それを聴く機会がないんだよ。
なんとかしてくれ。

1. 『地図→家』
2. MAGIC SPELL
3. 僕たちには時間がない
4. シンフォニア
5. うちにかえろう
6. 金色のナイフ
7. 神様なんていない
8. モリ
9. 誰か教えて
10. 懺悔室
11. スターマイン
12. 玄関


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テーマ : 男性アーティスト
ジャンル : 音楽

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プロフィール

S.S

Author:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。東京都在住。
音楽に生かされている人間です。
どれだけ続くかわかりませんが、邦楽のアルバムレビューをしていきます。

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