ボールズ「スポットライト」~シーンに対するカウンターカルチャー~


ボールズ「スポットライト」(2014)

このミニアルバムでメジャーデビューした関西出身5人組バンド ボールズ。
以前はミラーマンというバンド名で活動しており、昨年ミラーマン名義で発売した「ニューシネマ」が話題になる。
日本の古きよきポップミュージックに影響をうけたであろう、耳馴染みの良い楽曲の数々。
フェスで盛り上がればいいというノリ重視のバンドが多い中で現れた、期待の正統派ポップスバンド。


キャッチーなサウンドと日常を切り取った歌詞が印象的な「通り雨」
随所で弾かれる爽やかなギターフレーズがとても良い。センチメンタルな気持ちになる。

「今でもお前はここにいて おどけてくれたのかい?」

待ってくれる人がいるって幸せだよね。

海辺の風景が思い浮かぶような鮮やかな歌詞「渚」
力強いボーカルが凄く若々しさを感じさせる。
泣きメロを奏でるギターソロも聴き所。

ワウを聴かしたギターサウンドが癖になる「SING A SONG GIRL」
恋愛に対する衝動を歌った楽曲。若いっていいよね。
早口なAメロが焦燥感を生んでいる。純度の高いポップソング。

軽快なサウンドに乗せて、切ない想いが歌われる「長い夢」

「僕の"今なら"なんて君にとって"今さら"かい」

このフレーズめちゃくちゃ切ないですね。
サウンドがあくまでポップなので、悲壮感が漂わないのが救い。

とても懐かしい感じのする耳触りのいいポップナンバー「君はまぼろし」
時間の経過による変化の虚しさを描いた歌詞。

「どこも変わってないのに 僕には確かにまぼろし」

中々、残酷なフレーズ。時の流れは人の想いを変えてしまう。

印象的なベースラインと爽快なギターフレーズが特徴の「サイダー」
後半に向かうにつれ、勢いを増す演奏。彼らの技術の高さを感じる。
小さな幸せを歌った歌詞もかわいい感じ。

メロディアスなギターフレーズに心奪われる「メルトサマー」

「もう何も失くしたくないのに 気がつけばまた一人なのかい」

このフレーズを歌う山本さんの声が凄くエモ―ショナル。
夏という季節に感じる喪失感を力強く歌いあげる。

前曲が突然終わり始まるラストソング「スポットライト」
このアルバムの中で最も長い6分超えの楽曲。
街の中で生きる「僕」が「君」への気持ちを歌うポップソング。


終始、気持ちいい清涼感溢れるポップサウンド。スピッツを思い出させる。
懐かしい感じのするポップスなんだけど、しっかりとしたバンドサウンドが現代的。
ギターが3人いるのが大きい。メロディアスなギターフレーズを重ねることで、よりメロディの良さが際立つ。
ただ、これという曲がないのが残念。どれも水準以上の楽曲なんだけど、アンセム感のある曲が欲しい。

歌詞の面では、日常を切り取り、詩的な表現に編集された表現がこのバンドの特徴。
特に「街」の描写が出てくることが多い。
更に言うと、一曲の中で時間の経過があり、変わっていく「街」に対する儚さが上手く表現されている。

彼らのインタビュー記事を読むと、音楽シーンを作ろうという強い意志を感じ取れる。
その思いが反映されているのが、アルバム名でもある「スポットライト」。
まず、自分たちがスポットライトを浴びることで、自分たちの好きな音楽が注目を集めるきっかけにしたい。
飽和する盛り上がり重視の若手バンド勢の中で、「歌」を大切にすることで新たなシーンを作り上げてほしい!

評価:B

① 通り雨
② 渚
③ SING A SONG GIRL
④ 長い夢
⑤ 君はまぼろし
⑥ サイダー
⑦ メルトサマー
⑧ スポットライト

(下記リンク先より試聴できます)
Spotlight - ボールズ



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テーマ : 男性アーティスト
ジャンル : 音楽

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プロフィール

S.S

Author:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。東京都在住。
音楽に生かされている人間です。
どれだけ続くかわかりませんが、邦楽のアルバムレビューをしていきます。

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